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別途工事はその意味をよく考えないと、罠にはまってしまいます

設計図書に別途工事と書いてあれば、それは工事費に含まれないものなので、内訳明細書に計上しない項目ということになります。
一見簡単なことなのですが、そこには勘違いしやすい罠もあるので、注意しなくてはなりません。

別途工事の罠その1:メーカー図の別途工事

設計図書に建材メーカーが作成した詳細図が含まれている場合があります。
例えば、エレベーターや機械駐車のメーカー詳細図が添付されていた場合、そこに別途工事と書かれている項目があることがあります。
この場合の別途工事の意味は、通常、そのメーカーの工事費に含まれないということであって、建築工事費に含まれないという意味ではないことが多いです。
建築工事で、その項目を計上する必要がある項目ということになります。

親切なメーカー図だと、別途工事と書かないで建築工事と書いてくれていますが、そうじゃない場合もけっこうあります。
当たり前のことなのですが、積算の仕事を始めた頃に意外と陥りやすい罠で、別途工事と書いてあったから計上しませんでしたということは、よくあります。
積算作業をする本人もですが、積算作業をチェックする立場の人も、チェック項目として気に留めておく必要があります。

別途工事の罠その2:別途工事にかかわる本工事

別途工事にかかわる下地や補強などが、本工事に含まれる場合があります。
例えば、太陽光発電設備が別途工事だった場合のパネルの取付下地、外壁に取り付ける看板が別途工事だった場合の取付下地、設備工事が別途工事だった場合の設備機器用基礎・開口補強・スリーブ補強などがあります。
工事区分表でしっかり書いてあれば、計上し忘れることもないと思いますが、書いてない場合は質問書で詳細を含め確認する必要があります。

別途工事の罠その3:設備別途工事にかかわる建築工事

罠その2でも上げましたが、設備工事が別途工事だった場合の本工事に含まれる項目には注意が必要です。
通常は、本工事に含まれる関連項目(設備機器用基礎・開口補強・スリーブ補強など)は設計図書に明記されていますが、積算作業のタイミングによっては図面が間に合っていなくて、関連項目のリストがない場合もあります。
その場合は、必ず質問書で関連項目のリストを提示してもらわなくてはなりません。

設備工事が本工事の場合は、設備工事を積算している担当者から、建築工事の積算担当者に項目を「送る」と思いますが、別途工事の場合はそれがなく、うっかり忘れてしまいやすいので、チェックリストなどに記載して、確認するのがいいと思います。

また、工場などの工事の場合には、電気・機械・空調などの一般的な設備工事が本工事の場合でも、生産設備などの特殊な設備だけは別途工事という場合もあります。
この場合は、設備工事の積算担当から「送り」がもらえるものの中に、別途工事となる特殊な設備分の関連建築工事が含まれないことになります。
特殊設備にかかわる建築工事の項目が図面中に明記ないときは、忘れないで質問しておかないといけません。

本工事か別途工事かの確認は当然重要なことですが、これらのような別途工事の意味や関連項目にも注意を払うようにしましょう。

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