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アルミの表面処理が二次電解着色なのに無着色陽極酸化被膜?

外部仕上表や矩計図などに、外部アルミ材の表面処理として二次電解着色と記載されているのに、特記仕様書ではAB-1種やBB-1種が適用になっていることは結構あります。
AB-1種やBB-1種は、公共建築工事標準仕様書の表14.2.1でいずれも無着色の被膜なので、着色か無着色かで相違していることになります。

公共建築工事標準仕様書 表14.2.1

ちなみに、公共建築工事標準仕様書の14.2.2.(2)では、「陽極酸化皮膜の着色方法は、特記による。特記がなければ、二次電解着色とし……」と記載されていて、二次電解着色というのは陽極酸化皮膜の着色方法の一種ということが分かります。

相違の原因は特記仕様書の修正忘れ

たいていの場合、特記仕様書は標準的なフォーマットが用意されていて、そのフォーマットを部分的に修正して、その工事の特記仕様書として設計図書に加えられるという使い方がされています。
また、そのフォーマットには、よく使う仕様にはあらかじめ※印が付けられていて、特に修正しなければその※印の付いた仕様が適用され、今回は違う仕様にしたいというときに〇印を付けて、〇印の付いた仕様を適用するようになっていることが多いです。
このことは、特記仕様書の最初の方に、次のような感じで説明されます。

特記事項は、〇印の付いたものを適用する。
〇印の付かない場合は、※印の付いたものを適用する。

ということは、冒頭の着色と無着色との相違は、おそらく特記仕様書の修正忘れであって、外部仕上表などに記載された二次電解着色が正解だろうと推測されますが、設計図書の優先順位としては、特記仕様書が上位になっていることが多いので困ってしまいます。
このような場合は、質疑書で確認するとしたら、設計図書の優先順位によらず、「二次電解着色と記載されているので、BB-2種としてよろしいですか」という質問のし方になると思います。

無着色の二次電解着色の可能性

ただし、二次電解着色と無着色の被膜とが本当に相違なのか、ちょっと自信がありません。
着色と無着色の言葉の意味をそのままとらえると相違なのですが、色のない(透明な)二次電解着色というものが存在する可能性もあるかもと、疑ったりもしています。
今のところ調べても正解が分からずです。
もしご存じの方がいらしたら、教えてくださいませ。

※ 2023.3.6追記
コメントで教えていただきました。
無着色であっても、二次電解着色によりアルミ素地色(シルバー・無色アルマイト)にするとのことです。
詳しくは、いただいたコメントを参照ください。

コメント

  1. 匿名2/08/2023

    無着色の二次電解着色というのは、ちょっと誤解があります。

    BB-1種:無着色陽極酸化塗装複合被膜(シルバー・無色アルマイト)
    BB-2種: 着色陽極酸化塗装複合被膜(ステンカラー・ブロンズ・ブラック等)

    二次電解着色の仕組みは、陽極酸化処理中に発生する
    アルミ表面の微細孔内(顕微鏡レベル)に析出金属を溜め、
    光の屈折率が変わる為、見える色が変わります。

    一方、無着色の場合は、金属を析出させないため、
    アルミ素地色(シルバー・無色アルマイト)となります。
    透明では無く、アルミ素地の色(シルバー)を無色と表現しております。

    析出金属量が多くなるにつれ、
    シルバー ⇒ ステンカラー ⇒ ブロンズ ⇒ ブラック と
    黒に向かって、色が黒色系で濃くなっていきます。

    二次電解着色では、シルバーから黒までの濃淡しか表現することができません。

    ホワイトやグレー、その他の色等になると
    染料や塗料が必要となります。

    返信削除
  2. 貴重な情報をいただき、ありがとうございます。
    無着色であっても、二次電解着色によりアルミ素地色(シルバー・無色アルマイト)
    にするということですね。
    勉強になりました。ありがとうございます。

    返信削除

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