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9章環境配慮改修工事 1節アスベスト含有建材の除去工事 9.1.3アスベスト含有吹付け材の除去(改修標準仕様書(建築)H28)

国土交通省 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版

9章 環境配慮改修工事
 1節 アスベスト含有建材の除去工事

9.1.3 アスベスト含有吹付け材の除去 

(a) 作業場の隔離等 

(1) アスベスト含有吹付け材の除去に伴い,アスベストの作業場から外部への飛散防止及び処理を行わないほかの部位の汚染防止のため,隔離シートを用いて隔離する。隔離シートは,壁面に使用するものは厚さ0.08mm以上,床面に使用するものは厚さ0.15mm以上とし,床面については二重で使用する。
なお,作業開始後,速やかに装置の排気口からのアスベスト漏洩の有無を点検し,異常を認めたときは,直ちに作業を中止し,必要な措置を講ずる。

(2) 隔離した作業場への出入りによるアスベスト粉じんの二次汚染を防止するため,前室,洗身室及び更衣室の3室で構成するセキュリティゾーンを設置する。

(3) 更衣室には洗眼及びうがいのできる設備を設ける。
 ただし,現場内のほかの場所にこれらの設備を設ける場合はこの限りでない。

(4) 洗身室にはエアシャワー設備を設ける。

(5) 集じん・排気装置の使用前に漏れがないことを点検する。

(6) 隔離した作業場及び前室内は,集じん・排気装置を使用し,除じんするとともに負圧にする。
 集じん・排気装置は,アスベスト粉じんの大気への飛散を防止するためのHEPAフィルタ又はこれと同等以上の性能を有するエアフィルタ付きの設備とする。

(7) 作業中に作業場及び前室内が負圧に保たれていること並びに集じん・排気装置からの漏れがないことを定期的に点検する。

(b) 工法 

(1) アスベスト含有吹付け材の除去工法は,特記による。
 特記がなければ,次による。
 (ⅰ) アスベスト含有吹付け材を粉じん飛散抑制剤により湿潤化したのちに,除去する。
  粉じん飛散抑制剤は,処理工事によって発生するアスベスト粉じんの飛散を抑制するための薬液とする。
 (ⅱ) 除去に当たっては,粉じん飛散抑制剤の効果を確認し,ケレン棒等によりアスベスト含有吹付け材を掻き落とす。
 (ⅲ) 付着しているアスベスト含有吹付け材が残った場合は,再度湿潤化し,ワイヤブラシ等を使用して取り除く。
 (ⅳ) 十分に除去が行われたことを確認したのちに,除去面に粉じん飛散防止処理剤を散布する。
  粉じん飛散防止処理剤は,アスベスト含有吹付け材の層からのアスベスト粉じんの飛散を防止するための薬液とする。

(2) 除去したアスベスト含有吹付け材等の飛散防止
 (ⅰ) 除去作業場所において,厚さが0.15mm以上のプラスチック袋等の耐水性の材料の中に入れ,袋の中の空気をよく抜いて,密封する。
  この際,除去したアスベスト含有吹付け材等が湿潤化又は固形化していることを確認する。
  なお,固形化する場合は,特記による。
 (ⅱ) 前室で高性能真空掃除機等により,プラスチック袋等の耐水性の材料に付着している粉じんを除去する。高性能真空掃除機は,HEPA フィルタ又はこれと同等以上の性能を有するエアフィルタを装着した真空掃除機とする。
 (ⅲ) 前室又は洗身室で,更に,厚さが0.15mm 以上のプラスチック袋等の耐水性の材料をかぶせ,二重にこん包して密封し,「廃石綿等」であることの表示を行う。

(c) 除去したアスベスト等の保管,運搬及び処分 

(1) 除去したアスベスト含有吹付け材等の保管は,次の(2)によるほか,1.3.12 (d)(1) [工事現場内の保管]による。
 また,運搬及び処分は,次の(3)及び(4)によるほか,1.3.12 (d)(2) [運搬,処分及び回収の委託]による。
 なお,運搬又は処分を委託する場合は,委託契約書及びマニフェストに,廃石綿等が含まれることを記載する。

(2) 除去したアスベスト含有吹付け材等を搬出するまでの間,現場に保管する場合は,一定の保管場所を定め,ほかの建設副産物等と分別して保管するものとし,シートで覆うなど,飛散防止措置を講ずる。
 また,保管場所には,アスベスト等の保管場所であることの掲示を行う。

(3) アスベスト含有吹付け材等の運搬車及び運搬容器は,アスベスト含有吹付け材等が飛散及び流出するおそれのないものとする。
 また,運搬車両の荷台に覆いをかけるなど飛散防止措置を講ずる。

(4) 除去したアスベスト含有吹付け材の処分は,次の(ⅰ)又は(ⅱ)により,適用は特記による。
 (ⅰ) 埋立処分の場合は,特別管理産業廃棄物として,管理型最終処分場の一定の場所で埋立処分する。
 (ⅱ) 中間処理の場合は,都道県知事等から設置許可を受けた溶融施設において溶融又は環境大臣の認定を受けた無害化処理施設において無害化処理を行う。

(d) 確認及び後片付け 

(1) 除去作業の終了後,高性能真空掃除機で床等の清掃を行う。

(2) 除去が十分行われていることを,原則として監督職員の立会いのもと,確認する。

(3) 隔離シートに付着した粉じんの再飛散を防止するために,シート全面に,粉じん飛散抑制剤を散布する。

(4) 隔離シートの撤去は,集じん・排気装置で十分に吸引・ろ過し,隔離空間内部の空気中の総繊維数濃度を測定して,アスベスト等の粉じんが処理されていることを確認した時点で行う。
 なお,隔離シートは,取り外して粉じん付着面を内側にして折りたたむ。

(5) 設置された足場,仮設材は,解体前に足場等に付着したアスベスト粉じんを高性能真空掃除機で十分に清掃する等,付着したものを除去したのちに解体,搬出する。

(6) 隔離シート,保護衣,フィルタ等の廃棄物は,(b)(2)により,飛散防止措置を講ずる。

(7) 隔離シート,保護衣,フィルタ等の廃棄物の保管,運搬及び処分は,(c)による。

(8) 後片付け終了後は,高性能真空掃除機で床等の清掃を行う。

国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版(H28.6 一部改定)の複製です。

元の標準仕様書は、↓ こちらからダウンロードできます。
 官庁営繕:公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版 - 国土交通省

なお、元となる標準仕様書の改定周期は3年となっています。
次は平成31年版(または新元号元年版)になると思いますが、最新版が発行されたら、そちらを参照してください。

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