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6章コンクリート工事 9節試験 (標準仕様書(建築)H28 抜粋)

国土交通省 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版
積算業務向け抜粋
6章 コンクリート工事
 9節 試験

6.9.1 適用範囲

この節は、コンクリートの試験に適用する。
ただし、軽易なコンクリート工事の場合は、監督職員の承諾を受けて、試験を省略することができる。

6.9.2 フレッシュコンクリートの試験

(a) フレッシュコンクリートの試験に用いる試料の採取は、レディーミクストコンクリート工場ごとに、次により行う。

 (1) 試料の採取場所は、原則として、工事現場の荷卸し地点とする。
  ただし、特に変動が著しいと思われる場合は、その品質を代表する箇所から採取する。

 (2) 試料の採取方法は、JIS A 1115(フレッシュコンクリートの試料採取方法)による。

(b) フレッシュコンクリートの試験は、表6.9.1により行う。
表 6.9.1 フレッシュコンクリートの試験

6.9.3 コンクリートの強度試験の総則

(a) コンクリートの強度試験は、レディーミクストコンクリート工場及びコンクリートの種類が異なるごとに1日1回以上、かつ、コンクリート150 ㎥ごと及びその端数につき1回以上とする。

(b) コンクリートの強度試験方法

 (1) 1回の試験の供試体の個数及び試料採取

  (ⅰ) 1回の試験の供試体の数は、表6.9.2による試験用その他必要に応じて、それぞれ3個とする。

  (ⅱ) 適切な間隔をあけた3台の運搬車から、それぞれ試料を採取し、(ⅰ)で必要な数の供試体を作製する。
   ただし、調合管理強度の管理試験用は、1 台の運搬車から採取した試料で同時に3個の供試体を作製する。

  (ⅲ) (ⅱ)で3台の運搬車から作製した供試体から、それぞれ1個ずつ取り出し、3個の供試体で1回の試験を行う。
   ただし、調合管理強度の管理試験用は、1 台の運搬車から同時に作製した3個の供試体で1回の試験を行う。

 (2) 供試体は、JIS A 1132(コンクリート強度試験用供試体の作り方)に基づいて工事現場で作製し、それぞれ試験の目的に応じた養生を行う。
  なお、脱型は、コンクリートを詰め終わってから16 時間以上3日間以内に行う。

 (3) 供試体の養生方法及び養生温度

  (ⅰ) 標準養生は、JIS A 1132による 20±2℃の水中養生とする。

  (ⅱ) 工事現場における養生は水中養生又は封かん養生とし、養生温度はコンクリートを打ち込んだ構造体にできるだけ近い条件になるようにする。
   また、水中養生の場合の養生温度は、養生水槽の水温の最高及び最低を毎日測定し、養生期間中の全測定値を平均した値とする。
   なお、供試体の保管場所は、直射日光の当たらない屋外とする。

 (4) 圧縮強度試験

  (ⅰ) 試験方法は、JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)による。

  (ⅱ) 1回の試験における圧縮強度の平均値(x)は、6.9.1式による。
6.9.1 式

  (ⅲ) 3回の試験における圧縮強度の総平均値(x )は、6.9.2式による。
6.9.2 式

 (5) 供試体の養生方法、材齢、1回の試験の個数及び試験回数は、表6.9.2 による。
  ただし、寒中コンクリートの場合は、表6.11.1による。
表 6.9.2 供試体の養生方法,材齢,1回の試験の個数及び試験回数

6.9.4 調合管理強度の管理試験

調合管理強度の管理試験の判定は、(1)及び(2)を満足すれば合格とする。

(1) 1回の試験結果は、調合管理強度の85%以上とする。

(2) 3回の試験結果の平均値は、調合管理強度以上とする。

6.9.5 構造体コンクリート強度の推定試験

(a) 構造体コンクリート強度の推定試験の判定は、次の(1)、(2)、(3)のいずれかを満足すれば合格とする。

 (1) 現場水中養生供試体の材齢 28 日の圧縮強度試験結果が、次を満足すること。

  (ⅰ) 材齢 28 日までの平均気温が 20℃以上の場合は、1回の試験結果が、調合管理強度以上であること。

  (ⅱ) 材齢 28 日までの平均気温が 20℃未満の場合は、1回の試験結果が、設計基準強度に3N/mm2 を加えた値以上であること。

 (2) 現場封かん養生供試体の材齢 28日を超え91日以内の圧縮強度試験の1回の試験結果が、設計基準強度に3N/mm2を加えた値以上であれば合格とする。
  ただし、セメントの種類が普通ポルトランドセメント以外の場合は、上記に加え、現場封かん養生供試体の材齢28日の圧縮強度試験の1回の試験結果が、設計基準強度に0.7 を乗じた値以上であることを確認すること。

 (3) 標準養生供試体の材齢 28日の圧縮強度試験の1回の試験結果が、調合管理強度以上であれば合格とする。

(b) 不合格となった場合は、監督職員の承諾を受け、JIS A 1107(コンクリートからのコアの採取方法及び圧縮強度試験方法)又はその他の適切な試験方法により構造体の強度を確認し、必要な処置について、監督職員の指示を受ける。

国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版(H28.6 一部改定)の中の積算に係わる部分の抜粋です。
(分かりやすくするため、一部文章を簡略化しています)
元の標準仕様書は、↓ こちらからダウンロードできます。
 官庁営繕:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版 - 国土交通省

なお、元となる標準仕様書の改定周期は3年となっています。
次は平成31年版(または新元号元年版)になると思いますが、最新版が発行されたら、そちらを参照してください。

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