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3章防水改修工事 2節既存防水層の処理 3.2.6既存下地の補修及び処置(改修標準仕様書(建築)H28)

国土交通省 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版

3章 防水改修工事
 2節 既存防水層の処理

3.2.6 既存下地の補修及び処置 

(a) 既存下地の補修及び処置は,(b)から(f)までによる。

なお,補修箇所の形状,長さ,数量等は,特記による。

(b) 既存防水層撤去後のコンクリート,モルタル面の下地補修及び処置

(1) P1B工法,P1BI工法,T1BI工法,P1E工法,P1Y工法及びP1S工法
 (ⅰ) 下地に付着している防水層残存物等のケレン及び清掃を行う。
 (ⅱ) コンクリート面等のひび割れ部は,P1B工法,P1BI工法,T1BI工法,P1E工法及びP1Y工法の場合はアスファルト防水工事用シール材,P1S工法の場合はポリマーセメントモルタルで補修する。
  ひび割れ幅が2mm以上の場合は,Uカットのうえポリウレタン系シーリング材等を充填する。
 (ⅲ) 下地の欠損部は,ポリマーセメントモルタルで平滑に補修する。支障のある浮き部は,撤去し,ポリマーセメントモルタルで補修する。
  ぜい弱部は,ケレン等のうえポリマーセメントペースト等で補修する。
 (ⅳ) 部分的な水はけ不良や勾配不良がある場合は,監督職員と協議する。

(2) M3AS工法,M3ASI工法,M3D工法及びM3DI工法
 (ⅰ) 下地の補修及び処置は(b)(1)(ⅰ)及び(ⅱ)による。
 (ⅱ) 部分的な水はけ不良がある場合は,ポリマーセメントモルタルで補修する。
  ただし,勾配不良がみられる場合は,監督職員と協議する。

(3) S3S工法及びS3SI工法
 (ⅰ) 下地に付着している防水層残存物等の処置は,(1)(ⅰ)による。
  下地プライマー等が残存している場合は,ポリマーセメントペースト等の下地調整材を塗り付ける。
 (ⅱ) コンクリート面等のひび割れ部は,ポリマーセメントモルタルで補修する。
  ひび割れ幅が2mm以上の場合は,Uカットのうえポリウレタン系シーリング材等を充填する。
 (ⅲ) 下地の欠損部,支障のある浮き部及びぜい弱部等の処置は,(1)(ⅲ)による。
 (ⅳ) 部分的な水はけ不良がある場合の処置は,(2)(ⅱ)による。

(c) 既存防水層の補修及び処置

(1) P2A工法,P2AI工法,P2E工法及びP2Y工法
 (ⅰ) 既存防水層に付着しているコンクリート等は,既存防水層を損傷しないようケレン及び清掃を行う。
  清掃後,溶融アスファルト又はアスファルト系下地調整材を 1.0 ㎏/㎡程度塗布する。
 (ⅱ) 既存露出防水層の損傷箇所,継目等のはく離箇所,浮き部分等は,切開し,バーナーで熱した後,溶融アスファルトを充填し,張り合わせる。
  ただし,防水層の表面が劣化し,含水していてバーナーで熱したとき気泡が生じる場合及び既存防水層の不具合なふくれや浮きが全体にわたっている場合並びに既存防水層にストレッチルーフィングが挿入されていない場合は,監督職員と協議する。
 (ⅲ) 既存防水層撤去後の立上り部等の補修及び処置は,(b)(1)(ⅰ)から(ⅲ)までによる。

(2) M4AS工法,M4ASI工法,M4C工法及びM4DI工法
 (ⅰ) 既存露出防水層表面の砂は,既存防水層を損傷しないよう可能な限り取り除き,清掃を行う。
  清掃後,溶融アスファルト又はアスファルト系下地調整材を1.0 ㎏/㎡程度塗布する。
 (ⅱ) 既存露出防水層表面の仕上げ塗装の除去は,特記による。
  特記により除去する場合は,デッキブラシ等で水洗いを行う。
 (ⅲ) 既存露出防水層の補修及び処置は,(c)(1)(ⅱ)による。
  ただし,M4AS工法の場合は,溶融アスファルトの充填は行わない。
  また,既存防水層が絶縁工法の場合は,監督職員と協議する。
 (ⅳ) 既存防水層撤去後の立上り部等の補修及び処置は,(b)(1)(ⅰ)から(ⅲ)までによる。

(3) M4S工法及びM4SI工法
 (ⅰ) 既存露出防水層の表面の遊離した砂は,取り除き,清掃を行う。
 (ⅱ) 既存露出防水層の損傷箇所,継目等のはく離箇所,浮き部分等は,切開し,加熱した後,張り合わせる。
  ただし,既存防水層の不具合なふくれや浮きが全体にわたっている場合は,監督職員と協議する。
 (ⅲ) 下地がぜい弱等で,固定金具の取付強度が不十分な場合は,監督職員と協議する。
 (ⅳ) 既存防水層撤去後の立上り部等の補修及び処置は,(b)(3)(ⅰ)から(ⅲ)までによる。
  ただし,立上り部を機械的固定工法で施工する場合は,Uカット及びポリウレタン系シーリング材等の充填を省略することができる。
  また,下地がぜい弱等で,固定金具の固定強度が不十分な場合は,監督職員と協議する。

(4) S4S工法及びS4SI工法 (接着工法)
 (ⅰ) 既存露出防水層の表面は,ゴミ等の異物を取り除き,水洗いを行う。
 (ⅱ) 既存露出防水層の損傷箇所,継目等のはく離箇所,浮き部分等は,切除し,ポリマーセメントモルタル等で平滑に補修する。
  ただし,既存防水層の表面が著しく劣化していたり,既存防水層と下地の接着強度が不十分で,ふくれや浮きが全体にわたっている場合は,監督職員と協議する。
 (ⅲ) 既存防水層撤去後の立上り部等の補修及び処置は,(b)(3)(ⅰ)から(ⅲ)までによる。

(5) S4S工法及びS4SI工法 (機械的固定工法)
 (ⅰ) 既存露出防水層の表面は,ゴミ等の異物を取り除き,清掃を行う。
 (ⅱ) 既存露出防水層の損傷箇所,継目等のはく離箇所,浮き部分等は,切開し,平滑にする。
  ただし,既存防水層の不具合なふくれや浮きが全体にわたっている場合は,監督職員と協議する。
 (ⅲ) 下地がぜい弱等で,固定金具の固定強度が不十分な場合は,監督職員と協議する。
 (ⅳ) 既存防水層撤去後の立上り部等の補修及び処置は,(3)(ⅳ)による。

(6) L4X工法
 (ⅰ) 既存露出防水層の表面は,ゴミ等の異物を取り除き,水洗いを行う。
  乾燥後,層間接着用プライマーを塗布し,新規防水層との接着性をよくする。
 (ⅱ) 既存塗膜防水層表面の仕上げ塗装の除去は,特記による。
  特記により除去する場合は,デッキブラシ等で水洗いを行う。
 (ⅲ) 既存防水層の破断,穴あき箇所の浮き部分及びふくれ部分は,切除し,ポリマーセメントモルタルで平滑に補修する。
  既存防水層の劣化によるチョーキング部は,デッキブラシ等で水洗いを行う。

(d) 既存保護層の補修及び処置

(1) P0AS工法,P0ASI工法,P0D工法及びP0DI工法
 (ⅰ) 下地に付着している異物はケレンし,全面をデッキブラシ等で清掃を行う。
 (ⅱ) コンクリート面等のひび割れ部の処置は,(b)(1)(ⅱ)による。
 (ⅲ) 下地の欠損部,支障のある浮き部及びぜい弱部の処置は,(b)(1)(ⅲ)による。
 (ⅳ) 既存目地の欠損部は,アスファルト防水工事用シール材を充填するなどして,平たんに補修する。
  また,突出している目地材は,撤去して平たんにする。
  なお,既存目地を脱気に利用する場合は,既存目地を撤去し,バックアップ材を用いてポリウレタン系シーリング材等を充填する。
  なお,P0AS工法の場合は,目地上をテープ状の改質アスファルトシートで増張りすることが出来る。
 (ⅴ) 部分的な水はけ不良がある場合の処置は,(b)(2)(ⅱ)による。
 (ⅵ) 既存保護層及び防水層を撤去した立上り部等の補修及び処置は,(b)(1)(ⅰ)から(ⅲ)までによる。

(2) P0S工法及びP0SI工法 (接着工法)
 (ⅰ) 下地の補修及び処置は,(1)(ⅰ),(ⅱ),(ⅲ)及び(ⅴ)による。
  なお,コンクリート面等のひび割れ部は,ポリマーセメントモルタル等で補修し,ひび割れ幅が2mm以上の場合は,Uカットのうえポリウレタン系シーリング材等を充填する。
 (ⅱ) 既存目地の補修及び処置は,(1)(ⅳ)による。
  なお,既存目地周囲の欠損部は,ポリマーセメントモルタルを充填するなどして,平たんに補修する。
 (ⅲ) 既存保護層及び防水層を撤去した立上り部等の補修及び処置は,(b)(3)(ⅰ)から(ⅲ)までによる。

(3) P0S工法及びP0SI工法 (機械的固定工法)
 (ⅰ) 下地に付着している異物はケレンし,清掃を行う。
 (ⅱ) 下地の著しい欠損部は,ポリマーセメントモルタルで補修する。
 (ⅲ) 下地がぜい弱等で,固定金具の固定強度が不十分な場合は,監督職員と協議する。
 (ⅳ) 既存目地の欠損部は,ポリマーセメントモルタルを充填するなどして,平たんに補修する。
  また,突出している目地材は,撤去して平たんにする。
 (ⅴ) 部分的な水はけ不良がある場合の処置は,(b)(2)(ⅱ)による。
 (ⅵ) 既存保護層及び防水層を撤去した立上り部等の補修及び処置は,(c)(3)(ⅳ)よる。
 (ⅶ) 既存保護層を撤去し防水層を非撤去とした立上り部等の補修及び処置は,特記による。
  特記がなければ,次による。
  ① 既存防水層に付着しているコンクリート等は,既存防水層を損傷しないようケレン及び清掃を行う。
  ② 既存露出防水層の損傷箇所,継目等のはく離箇所,浮き部分等は,切開し,加熱した後,張り合わせる。
  ③ 下地がぜい弱等で,固定金具の取付強度が不十分な場合は,監督職員と協議する。

(4) P0X工法
 (ⅰ) 下地に付着している異物はケレンし,全面をデッキブラシ等で清掃を行う。
 (ⅱ) コンクリート面等のひび割れ部は,ポリマーセメントモルタル等で補修する。
 (ⅲ) 下地の欠損部及びぜい弱部の補修及び処置は,(b)(1)(ⅲ)による。
 (ⅳ) 既存目地の補修及び処置は,(2)(ⅱ)による。
 (ⅴ) 部分的な水はけ不良がある場合の処置は,(b)(2)(ⅱ)による。
 (ⅵ) 既存保護層及び防水層を撤去した立上り部等の補修及び処置は,(b)(3)(ⅰ)から(ⅲ)までによる。
  ただし,ひび割れ幅が2mm以上の場合は,Uカットのうえ,ポリウレタン系シーリング材等を充填する。

(e) 入隅及び出隅等の補修及び処置

(1) アスファルト防水を行う場合の入隅及び出隅は,通りよく 45°の面取りとする。
 ただし,既存防水層を撤去し改質アスファルトシート防水を行う場合の入隅は,通りよく直角とし,出隅は通りよく 45°の面取りとする。
 なお,P0D工法,P0DI工法,M3D工法,M3DI工法,M4C工法及びM4DI工法の場合は,入隅に成形キャント材を使用することができる。

(2) 合成高分子系ルーフィングシート防水又は塗膜防水を行う場合の入隅は,通りよく直角とし,出隅は通りよく 45°の面取りとする。

(f) 架台回り等の処置

設備機器架台,配管受部,パラペット,貫通パイプ回り,手すり・丸環の取付け部,塔屋出入口部等の欠損部及び防水層末端部の納まり部は,特記による。
 特記がなければ,監督職員と協議する。

国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版(H28.6 一部改定)の複製です。

元の標準仕様書は、↓ こちらからダウンロードできます。
 官庁営繕:公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版 - 国土交通省

なお、元となる標準仕様書の改定周期は3年となっています。
次は平成31年版(または新元号元年版)になると思いますが、最新版が発行されたら、そちらを参照してください。

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