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8章耐震改修工事 15節溶接接合 8.15.7溶接施工(改修標準仕様書(建築)H28)

国土交通省 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版

8章 耐震改修工事
 15節 溶接接合

8.15.7 溶接施工 

(a) 共通事項 

(1) 溶接機とその付属用具は,溶接条件に適した構造及び機能を有し,安全に良好な溶接が行えるものとする。
(2) 溶接部は,有害な欠陥のないもので,表面は,できるだけ滑らかなものとする。
(3) 溶接順序は,溶接変形が最小となるように考慮して施工する。
(4) 溶接姿勢は,作業架台,ポジショナー等を利用して部材の位置を調整し,できるだけ下向きとする。
(5) 材質,材厚,気温等を考慮のうえ,必要に応じて,適切な溶接条件となるよう予熱を行う。
(6) エンドタブの取扱い
 (ⅰ) 完全溶込み溶接及び部分溶込み溶接の場合は,原則として,溶接部の始端及び終端部に適切な材質,形状及び長さをもった鋼製エンドタブを用いる。
  ただし,鉄骨製作工場に十分な実績があり,かつ,溶接部の品質が十分確保できると判断される場合は,監督職員の承諾を受けて,その他の工法とすることができる。
 (ⅱ) エンドタブを切断する場合の適用箇所は特記による。切断する場合の仕上げ等は,次による。
  ① エンドタブ,裏当て金等は,梁フランジ等の端から,1~5mm 残して,部材断面を欠損しないように直線上に切断する。
   なお,切断線が交差する場合は,交差部をアール状に加工する。
  ② 切断面は,グラインダー掛けにより,粗さ 100μmRz程度以下及びノッチ深さ1mm程度以下に仕上げる。
(7) 溶接に支障となるスラグ及び溶接完了後のスラグは,入念に除去する。
(8) 著しいスパッター及び塗装下地となる部分のスパッターは,除去する。
(9) アークストライクを起こしてはならない。
 ただし,アークストライクを起こした場合は,鋼材表面を平滑に仕上げる。
(10)裏当て金の材質,形状及び長さは溶接部の品質を確保できるものとし,原則として,フランジの内側に設置する。
 また,裏当て金の組立に必要な組立溶接は,接合部に悪影響を与えないように行う。

(b) 完全溶込み溶接 

(1) 裏当て金のない場合は,表面から溶接を行ったのち,健全な溶着部分が現れるまで裏はつりを行い,裏はつり部を十分清掃したのち裏溶接を行う。
 ただし,サブマージアーク溶接で,溶接施工試験等により十分な溶込みが得られると判断・確認できる場合は,裏はつりを省略することができる。
(2) 裏当て金のある場合は,初層の溶接において継手部と裏当て金がともに十分溶け込むようにする。
(3) 溶接部の余盛りは,緩やかに盛り上げる。
 その高さは,JASS 6 付則 6.[鉄骨精度検査基準]付表 3[溶接]による。
(4) 板厚が異なる場合の突合せ継手の溶接部の形状は,次による。
 (ⅰ) 低応力高サイクル疲労を受ける部位は特記により,その形状は,厚い方の材を1/2.5以下の傾斜に加工し,開先部分で薄い方と同一の高さにする。
  (ⅱ) (ⅰ)以外で板厚差による段違いが薄い方の板厚の1/4を超えるか又は10mmを超える場合は,T継手に準じた高さの余盛を設ける。
 (ⅲ) 板厚差による段違いが薄い方の板厚の1/4以下,かつ,10mm以下の場合は,溶接表面が薄い方の材から厚い方の材へ滑らかに移行するように溶接する。
(5) スカラップの形状は,特記による。

(c) 部分溶込み溶接 

(1) 溶接部の余盛りは,(b)(3)による。
(2) 初層の溶接は,所定の溶込みが得られるように行う。

(d) 隅肉溶接 

(1) 溶接長さは,有効長さに隅肉サイズの2倍を加えた長さであり,その長さを確保するように施工する。
(2) 溶接部の余盛り高さは,(b)(3)による。

国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版(H28.6 一部改定)の複製です。

元の標準仕様書は、↓ こちらからダウンロードできます。
 官庁営繕:公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版 - 国土交通省

なお、元となる標準仕様書の改定周期は3年となっています。
次は平成31年版(または新元号元年版)になると思いますが、最新版が発行されたら、そちらを参照してください。

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