スキップしてメイン コンテンツに移動

8章耐震改修工事 3節鉄筋の加工及び組立 8.3.8ガス圧接(改修標準仕様書(建築)H28)

国土交通省 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版

8章 耐震改修工事
 3節 鉄筋の加工及び組立

8.3.8 ガス圧接 

(a) 適用範囲 

8.3.8 は,鉄筋を酸素・アセチレン炎を用いて加熱し,圧力を加えながら接合するガス圧接に適用する。

(b) 技能資格者 

圧接作業における技能資格者は,工事に相応したJIS Z 3881(鉄筋のガス圧接技術検定における試験方法及び判定基準)による技量を有する者とする。

(c) 圧接後の圧接部の品質は,次による。 

(1) 圧接部のふくらみの直径は,鉄筋径(径の異なる場合は細い方の鉄筋径)の1.4倍以上であること。
(2) 圧接部のふくらみの長さは鉄筋径の1.1倍以上とし,その形状がなだらかであること。
(3) 圧接面のずれは,鉄筋径の 1/4以下であること。
(4) 圧接部における鉄筋中心軸の偏心量は,鉄筋径(径の異なる場合は細い方の鉄筋径)の 1/5以下であること。
(5) 圧接部は,強度に影響を及ぼす折れ曲り,片ふくらみ,焼割れ,へこみ,垂下がり及び内部欠陥がないこと。

(d) 圧接一般 

(1) 圧接作業に使用する装置,器具類は,正常に動作するように整備されたものとする。
(2) 鉄筋の種類が異なる場合,形状の著しく異なる場合及び径の差が5mmを超える場合は,圧接をしない。
 ただし,鉄筋の種類が異なる場合においては,SD390 と SD345 の圧接を行うことができる。

(e) 鉄筋の加工 

(1) 鉄筋は,圧接後の形状及び寸法が設計図書に合致するよう圧接箇所1箇所につき鉄筋径程度の縮み代を見込んで,切断又は加工する。
(2) 圧接しようとする鉄筋は,その端面が直角で平滑となるように,適切な器具を用いて切断する。

(f) 圧接端面 

(1) 鉄筋の端面及びその周辺には,錆,油脂,塗料,セメントペースト等の付着がないこと。
(2) 圧接端面は平滑に仕上げられており,その周辺は軽く面取りがされていること。
(3) 圧接端面は,原則として,圧接作業当日に処理を行い,その状態を確認する。

(g) 天候による処置 

(1) 寒冷期には,酸素,アセチレン容器及び圧力調整器の保温に注意する。
(2) 高温時には,酸素及びアセチレン容器を直射日光等から保護する。
(3) 降雨・降雪又は強風のときは,圧接作業を中止する。
 ただし,風除け,覆い等の設備をした場合には,作業を行うことができる。

(h) 圧接作業 

(1) 鉄筋に圧接器を取り付けたときの鉄筋の圧接端面間の隙間は2mm以下とし,かつ,偏心及び曲がりのないものとする。
(2) 圧接する鉄筋の軸方向に,適切な加圧を行い,圧接端面相互が密着するまで還元炎で加熱する。
(3) 圧接端面相互が密着したことを確認したのち,鉄筋の軸方向に適切な圧力を加えながら,中性炎により圧接面を中心に鉄筋径の2倍程度の範囲を加熱する。
(4) 圧接器の取外しは,鉄筋加熱部分の火色消失後とする。
(5) 加熱中に火炎に異常があった場合は,圧接部を切り取り再圧接する。
 ただし,(2)の圧接端面相互が密着したのちに異常があった場合は,火炎を再調節して作業を行ってもよい。

(i) 圧接完了後,次により試験を行う。 

(1) 外観試験
 (ⅰ) 圧接部のふくらみの形状及び寸法,圧接面のずれ,圧接部における鉄筋中心軸の偏心量,圧接部の折れ曲り,片ふくらみ,焼割れ,へこみ,垂下がりその他有害と認められる欠陥の有無について,外観試験を行う。
 (ⅱ) 試験方法は,目視により,必要に応じてノギス,スケールその他適切な器具を使用する。
 (ⅲ) 試験対象は,全圧接部とする。
 (ⅳ) 外観試験の結果不合格となった場合の処置は,(j)(1)による。

(2) 超音波探傷試験
 (ⅰ) 圧接部の確認試験は超音波探傷試験とし,その適用は特記による。
 (ⅱ) 試験の対象は,全圧接部とする。
 (ⅲ) 試験方法及び判定基準は,JIS Z 3062(鉄筋コンクリート用異形棒鋼ガス圧接部の超音波探傷試験方法及び判定基準)による。
 (ⅳ) 試験従事者は,当該ガス圧接工事に関連がなく,超音波探傷試験の原理及び鉄筋ガス圧接部に関する知識を有し,かつ,その試験方法等について十分な知識及び経験のある者とし,それらを証明する資料等を監督職員に提出する。
 (ⅴ) 不合格圧接部が発生した場合の処置は,(j)(2)による。

(j) 不合格となった圧接部の修正 

(1) 外観試験で不合格となった圧接部の修正
 (ⅰ) 圧接部のふくらみの直径やふくらみの長さが規定値に満たない場合は,再加熱し,圧力を加えて所定のふくらみとする。
 (ⅱ) 圧接部のずれが規定値を超えた場合は,圧接部を切り取り再圧接する。
 (ⅲ) 圧接部における相互の鉄筋の偏心量が規定値を超えた場合は,圧接部を切り取り再圧接する。
 (ⅳ) 圧接部に明らかな折れ曲りを生じた場合は,再加熱して修正する。
 (ⅴ) 圧接部のふくらみが著しいつば形の場合又は著しい焼割れを生じた場合は,圧接部を切り取り再圧接する。

(2) 超音波探傷試験で不合格となった圧接箇所の処置
 (ⅰ) 直ちに作業を中止し,欠陥発生の原因を調査して,必要な改善措置を定め,監督職員の承諾を受ける。
 (ⅱ) 不合格となった圧接箇所は,監督職員と協議を行い,圧接箇所を切り取り再圧接する。

(3) 再加熱又は圧接部を切り取り再圧接した箇所は,(i)(1)による外観試験及び(i)(2)(ⅲ)により超音波探傷試験を行う。

(4) 不合格圧接部の修正を行った場合は,その記録を整理し,監督職員に提出する。

国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版(H28.6 一部改定)の複製です。

元の標準仕様書は、↓ こちらからダウンロードできます。
 官庁営繕:公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版 - 国土交通省

なお、元となる標準仕様書の改定周期は3年となっています。
次は平成31年版(または新元号元年版)になると思いますが、最新版が発行されたら、そちらを参照してください。

コメント

共有する


関連コンテンツ