国土交通省 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版
3章 防水改修工事
3節 アスファルト防水
(b) アスファルトプライマー塗り
コンクリート下地の場合は次による。
(1) 下地が十分乾燥したのちに清掃を行い,塗布する。
(2) 塗付けは,アスファルトルーフィング類の張りじまいまで均一に行い,乾燥させる。
(3) 塗付けは,下地以外の箇所を汚さないように行う。
(c) アスファルトの溶融
(1) アスファルトの溶融がまは,次による。
(ⅰ) 設置位置は,できるだけ施工箇所の近くとする。
(ⅱ) コンクリートスラブの上に設置する場合は,熱による悪影響のない構造形態の溶融がまとする。
(ⅲ) 既存防水層の上及び完成した新設防水層の上に設置してはならない。
やむを得ず設置する場合は,保護コンクリートを打つなどの処置を行ったのちに,(ⅱ)により設置する。
(2) アスファルトは,局部加熱が生じないよう小塊にして溶融する。
(3) アスファルトの溶融温度の上限は,アスファルト製造所の指定する温度とし,同一アスファルトの溶融を3時間以上続けない。
また,溶融中に異状な色合いを生じたものは,使用しない。
(4) 溶融したアスファルトは,施工に適した温度を保つように管理する。
(5) 屋根保護防水断熱工法の断熱材等の張付け用アスファルトの温度は,断熱材に支障のないものにする。
(d) アスファルトルーフィング類の張付け
(1) 出隅,入隅,下地目地部等は,一般部分の張付けに先立ち,次の増張りを行う。
(ⅰ) コンクリートスラブの打継ぎ箇所,著しいひび割れ箇所及び既存目地部分には,幅50mm程度の絶縁用テープを張り付け,その上に幅300mm以上のストレッチルーフィングを増張りする。
なお,絶縁工法の場合は,幅50mm 程度の絶縁用テープを張り付け,砂付あなあきルーフィングを敷き込むか又は部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートを張り付ける。
(ⅱ) 出隅,入隅,立上りの出隅及び立上りの入隅の増張りは表3.3.11による。
(2) 平場の張付け
(ⅰ) アスファルトルーフィング類の張付けは,空隙,気泡,しわ等が生じないように平均に押し均して,下層に密着するように行う。
なお,空隙,気泡,しわ等が生じた場合は,各層ごとに直ちに補修する。
(ⅱ) 部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートは裏面のはく離紙等をはがしながら,しわが入らないように張り付け,ローラー等により転圧する。重なり部の処理はアスファルトルーフィング類製造所の仕様による。
(ⅲ) アスファルトルーフィング類の継目は,原則として,幅方向,長手方向とも,100mm以上重ね合わせ,水下側のアスファルトルーフィング類が,下側になるように張り重ねる。
ただし,絶縁工法の場合の砂付あなあきルーフィングの継目には,100×200(mm)程度のルーフィング片を3~4m程度の間隔に置敷きし,通気性を妨げないようにして突付けとする。
また,部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートの幅方向は, 100㎜以上重ね合わせ,長手方向は突付けとし,その上に幅 200×1,100(㎜)のストレッチルーフィング又は改質アスファルトルーフィング (非露出複層防水用) をアスファルトで張り付ける。
(ⅳ) アスファルトルーフィング類の上下層の継目は,同一箇所にならないようにする。
(ⅴ) 絶縁工法の立上り際の500mm 程度は,立上り部際の一層目のアスファルトルーフィング類をアスファルトを用いて密着張りとする。
また,密着張りしたアスファルトルーフィング類と平場の砂付あなあきルーフィングは突付けとする。
なお,部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートと密着張りとしたアスファルトルーフィング類の重ね幅は100mm 以上とし,アスファルトを用いて張り掛ける。
(ⅵ) 立上りと平場のアスファルトルーフィング類は別々に張り付ける。
ただし,立上がりの高さが400mm未満の場合は,平場のアスファルトルーフィング類をそのまま張り上げることができる。
なお,立上がりと平場のアスファルトルーフィング類を別々に張り付ける場合は,立上がり部のアスファルトルーフィング類は各層とも平場のアスファルトルーフィング類に 150mm以上張り掛ける。
(ⅶ) 屋根露出防水絶縁断熱工法の断熱材は隙間のないように,アスファルトルーフィング類製造所の仕様により張り付ける。
ルーフドレン回り及び立上り部周辺の断熱材の張りじまい位置は,特記による。
(3) 立上り部の張付け
(ⅰ) 各屋根及び屋内保護防水工法における防水層の立上り部の納まりは,最上層が所定の位置にくるようにし,下層になるほど 30mm 程度ずつ短くして,端部が厚くならないようにし,次に幅100mm程度の網状アスファルトルーフィングを増張りし,溶融アスファルトで目つぶし塗りをして押さえたのち,端部にシール材を塗り付ける。
なお,立上りを乾式保護仕上げとする場合及び監督職員の承諾を受けて端部を押え金物で押さえる場合は,所定の位置に各層の端部をそろえ,押え金物で固定した上に,シール材を充填する。
(ⅱ) 各屋根露出防水工法における防水層の立上り部 (あごのないパラペットの天端部を含む。) の納まりは,所定の位置に各層の端部をそろえ,押え金物で固定した上に,シール材を充填する。
(ⅲ) 押え金物は,ステンレスビスを用いて,両端を押さえ,間隔450mm以下に留め付ける。
(ⅳ) 改質アスファルトルーフィングシート (非露出複層防水用R種) 張りは,アスファルトを用いて張り付ける。
(4) ルーフドレン,和風便器,配管等との取合い
(ⅰ) 各層を,よくなじませながら入念に施工する。
(ⅱ) ルーフドレン回りは,最下層に300mm 以上のストレッチルーフィングを用いて,ドレンのつばに100mm程度,残りをスラブ面に張り掛けて増張りする。
また,ドレン回りの増張りとパラペットの入隅の増張りとが重なる部分は,一方を省略することができる。
① 密着工法の施工は次による。
増張りしたストレッチルーフィングの上まで平場のアスファルトルーフィング類を張り重ねる。
② 絶縁工法の施工は次による。
ア. 砂付あなあきルーフィングを用いる場合
砂付あなあきルーフィングは増張りしたストレッチルーフィングに突付けとし,増張りしたストレッチルーフィングの上までアスファルトルーフィング類を張り重ねる。
イ. 部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートを用いる場合
a) 幅500mm程度の改質アスファルトルーフィングを先に増張りしたストレッチルーフィングに張り掛ける。
改質アスファルトルーフィングはドレンのつばに100mm程度張り掛け,残りの400㎜程度はドレンの周囲にアスファルトで張り掛ける。
b) ドレンの周囲に張り付けた改質アスファルトルーフィングにアスファルトを用いて部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートを100mm以上張り掛ける。
c) 2層目以降のアスファルトルーフィング類は,ドレンの周囲に張り付けた改質アスファルトルーフィングの上まで張り重ねる。
(ⅲ) 配管回りは,最下層に網状アスファルトルーフィングを増張りし,配管の根元の平場にストレッチルーフィングを150mm程度張り掛けて増張りする。
なお,絶縁工法における砂付あなあきルーフィングは,増張りしたストレッチルーフィングに突付けとし,部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートは増張りしたストレッチルーフィングに100mm 程度アスファルトを用いて張り付ける。
配管回りの立上りの納まりは,所定の位置に防水層の端部をそろえステンレス製既製バンドで防水層端部を締め付け,上部にシール材を塗り付ける。
(ⅳ) 和風便器は,最下層及び最上層に網状アスファルトルーフィングを増張りする。
3章 防水改修工事
3節 アスファルト防水
3.3.4 施工
(a) 防水層の下地は,3.2.6による。(b) アスファルトプライマー塗り
コンクリート下地の場合は次による。
(1) 下地が十分乾燥したのちに清掃を行い,塗布する。
(2) 塗付けは,アスファルトルーフィング類の張りじまいまで均一に行い,乾燥させる。
(3) 塗付けは,下地以外の箇所を汚さないように行う。
(c) アスファルトの溶融
(1) アスファルトの溶融がまは,次による。
(ⅰ) 設置位置は,できるだけ施工箇所の近くとする。
(ⅱ) コンクリートスラブの上に設置する場合は,熱による悪影響のない構造形態の溶融がまとする。
(ⅲ) 既存防水層の上及び完成した新設防水層の上に設置してはならない。
やむを得ず設置する場合は,保護コンクリートを打つなどの処置を行ったのちに,(ⅱ)により設置する。
(2) アスファルトは,局部加熱が生じないよう小塊にして溶融する。
(3) アスファルトの溶融温度の上限は,アスファルト製造所の指定する温度とし,同一アスファルトの溶融を3時間以上続けない。
また,溶融中に異状な色合いを生じたものは,使用しない。
(4) 溶融したアスファルトは,施工に適した温度を保つように管理する。
(5) 屋根保護防水断熱工法の断熱材等の張付け用アスファルトの温度は,断熱材に支障のないものにする。
(d) アスファルトルーフィング類の張付け
(1) 出隅,入隅,下地目地部等は,一般部分の張付けに先立ち,次の増張りを行う。
(ⅰ) コンクリートスラブの打継ぎ箇所,著しいひび割れ箇所及び既存目地部分には,幅50mm程度の絶縁用テープを張り付け,その上に幅300mm以上のストレッチルーフィングを増張りする。
なお,絶縁工法の場合は,幅50mm 程度の絶縁用テープを張り付け,砂付あなあきルーフィングを敷き込むか又は部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートを張り付ける。
(ⅱ) 出隅,入隅,立上りの出隅及び立上りの入隅の増張りは表3.3.11による。
(2) 平場の張付け
(ⅰ) アスファルトルーフィング類の張付けは,空隙,気泡,しわ等が生じないように平均に押し均して,下層に密着するように行う。
なお,空隙,気泡,しわ等が生じた場合は,各層ごとに直ちに補修する。
(ⅱ) 部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートは裏面のはく離紙等をはがしながら,しわが入らないように張り付け,ローラー等により転圧する。重なり部の処理はアスファルトルーフィング類製造所の仕様による。
(ⅲ) アスファルトルーフィング類の継目は,原則として,幅方向,長手方向とも,100mm以上重ね合わせ,水下側のアスファルトルーフィング類が,下側になるように張り重ねる。
ただし,絶縁工法の場合の砂付あなあきルーフィングの継目には,100×200(mm)程度のルーフィング片を3~4m程度の間隔に置敷きし,通気性を妨げないようにして突付けとする。
また,部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートの幅方向は, 100㎜以上重ね合わせ,長手方向は突付けとし,その上に幅 200×1,100(㎜)のストレッチルーフィング又は改質アスファルトルーフィング (非露出複層防水用) をアスファルトで張り付ける。
(ⅳ) アスファルトルーフィング類の上下層の継目は,同一箇所にならないようにする。
(ⅴ) 絶縁工法の立上り際の500mm 程度は,立上り部際の一層目のアスファルトルーフィング類をアスファルトを用いて密着張りとする。
また,密着張りしたアスファルトルーフィング類と平場の砂付あなあきルーフィングは突付けとする。
なお,部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートと密着張りとしたアスファルトルーフィング類の重ね幅は100mm 以上とし,アスファルトを用いて張り掛ける。
(ⅵ) 立上りと平場のアスファルトルーフィング類は別々に張り付ける。
ただし,立上がりの高さが400mm未満の場合は,平場のアスファルトルーフィング類をそのまま張り上げることができる。
なお,立上がりと平場のアスファルトルーフィング類を別々に張り付ける場合は,立上がり部のアスファルトルーフィング類は各層とも平場のアスファルトルーフィング類に 150mm以上張り掛ける。
(ⅶ) 屋根露出防水絶縁断熱工法の断熱材は隙間のないように,アスファルトルーフィング類製造所の仕様により張り付ける。
ルーフドレン回り及び立上り部周辺の断熱材の張りじまい位置は,特記による。
(3) 立上り部の張付け
(ⅰ) 各屋根及び屋内保護防水工法における防水層の立上り部の納まりは,最上層が所定の位置にくるようにし,下層になるほど 30mm 程度ずつ短くして,端部が厚くならないようにし,次に幅100mm程度の網状アスファルトルーフィングを増張りし,溶融アスファルトで目つぶし塗りをして押さえたのち,端部にシール材を塗り付ける。
なお,立上りを乾式保護仕上げとする場合及び監督職員の承諾を受けて端部を押え金物で押さえる場合は,所定の位置に各層の端部をそろえ,押え金物で固定した上に,シール材を充填する。
(ⅱ) 各屋根露出防水工法における防水層の立上り部 (あごのないパラペットの天端部を含む。) の納まりは,所定の位置に各層の端部をそろえ,押え金物で固定した上に,シール材を充填する。
(ⅲ) 押え金物は,ステンレスビスを用いて,両端を押さえ,間隔450mm以下に留め付ける。
(ⅳ) 改質アスファルトルーフィングシート (非露出複層防水用R種) 張りは,アスファルトを用いて張り付ける。
(4) ルーフドレン,和風便器,配管等との取合い
(ⅰ) 各層を,よくなじませながら入念に施工する。
(ⅱ) ルーフドレン回りは,最下層に300mm 以上のストレッチルーフィングを用いて,ドレンのつばに100mm程度,残りをスラブ面に張り掛けて増張りする。
また,ドレン回りの増張りとパラペットの入隅の増張りとが重なる部分は,一方を省略することができる。
① 密着工法の施工は次による。
増張りしたストレッチルーフィングの上まで平場のアスファルトルーフィング類を張り重ねる。
② 絶縁工法の施工は次による。
ア. 砂付あなあきルーフィングを用いる場合
砂付あなあきルーフィングは増張りしたストレッチルーフィングに突付けとし,増張りしたストレッチルーフィングの上までアスファルトルーフィング類を張り重ねる。
イ. 部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートを用いる場合
a) 幅500mm程度の改質アスファルトルーフィングを先に増張りしたストレッチルーフィングに張り掛ける。
改質アスファルトルーフィングはドレンのつばに100mm程度張り掛け,残りの400㎜程度はドレンの周囲にアスファルトで張り掛ける。
b) ドレンの周囲に張り付けた改質アスファルトルーフィングにアスファルトを用いて部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートを100mm以上張り掛ける。
c) 2層目以降のアスファルトルーフィング類は,ドレンの周囲に張り付けた改質アスファルトルーフィングの上まで張り重ねる。
(ⅲ) 配管回りは,最下層に網状アスファルトルーフィングを増張りし,配管の根元の平場にストレッチルーフィングを150mm程度張り掛けて増張りする。
なお,絶縁工法における砂付あなあきルーフィングは,増張りしたストレッチルーフィングに突付けとし,部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートは増張りしたストレッチルーフィングに100mm 程度アスファルトを用いて張り付ける。
配管回りの立上りの納まりは,所定の位置に防水層の端部をそろえステンレス製既製バンドで防水層端部を締め付け,上部にシール材を塗り付ける。
(ⅳ) 和風便器は,最下層及び最上層に網状アスファルトルーフィングを増張りする。
国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版(H28.6 一部改定)の複製です。
元の標準仕様書は、↓ こちらからダウンロードできます。
官庁営繕:公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版 - 国土交通省
なお、元となる標準仕様書の改定周期は3年となっています。
次は平成31年版(または新元号元年版)になると思いますが、最新版が発行されたら、そちらを参照してください。
元の標準仕様書は、↓ こちらからダウンロードできます。
官庁営繕:公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版 - 国土交通省
なお、元となる標準仕様書の改定周期は3年となっています。
次は平成31年版(または新元号元年版)になると思いますが、最新版が発行されたら、そちらを参照してください。
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