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6章内装改修工事 16節タイル張り 6.16.3セメントモルタルによる陶磁器質タイル張り(改修標準仕様書(建築)H28)

国土交通省 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版

6章 内装改修工事
 16節 タイル張り

6.16.3 セメントモルタルによる陶磁器質タイル張り

(a) 適用範囲
この項は,工事現場において,セメントモルタルによるあと張りでタイル張り仕上げを行う工事に適用する。

(b) 材料
(1) タイル
 (ⅰ) タイルの品質は,JIS A 5209 (セラミックタイル) によるほか,タイルの形状,寸法,耐凍害性の有無,耐滑り性,標準色・特注色の別等は,特記による。
  なお,モザイクタイル及び内装タイルは,タイル製造所の標準品とする。
 (ⅱ) 役物の適用は,特記による。
  ただし,内装タイルは,面取りしたものを使用する。
 (ⅲ) タイルの試験張り,見本焼き等は,特記による。

(2) 張付け用材料
 (ⅰ) 張付けモルタルの材料は,6.15.3(a)から(d)までによる。
  ただし,細骨材の大きさは,表 6.16.2を標準とする。
表 6.16.2 細骨材の大きさ

 (ⅱ) 張付けモルタルの混和剤
  ① 保水剤は,メチルセルロース等の水溶性樹脂とし,実績等の資料を監督職員に提出する。
  ② セメント混和用ポリマーディスパージョンは,JIS A 6203 (セメント混和用ポリマーディスパージョン及び再乳化形粉末樹脂) による。
 (ⅲ) 既製調合モルタルは,実績等の資料を監督職員に提出する。
 (ⅳ) 吸水調整材は,4章2節 表4.2.2[吸水調整材の品質]による。
 (ⅴ) 既製調合目地材は,実績等の資料を監督職員に提出する。

(c) その他の材料
伸縮調整目地のシーリング材は,3章7節[シーリング]による。

(d) 張付けモルタルの調合
(1) モルタルの調合は,表 6.16.3による。
 なお,モルタルの練混ぜは,改良積上げ張りに用いるものを除き,原則として機械練りとする。
 また,1回の練混ぜ量は,60 分以内に張り終える量とする。
表 6.16.3 モルタルの調合

(2) 既製調合モルタルは,モルタル製造所の仕様による。
(3) 既製調合目地材は,モルタル製造所の仕様による。

(e) 施工時の環境条件
塗付け場所の気温が3℃以下及び施工後3℃以下になると予想される場合は,施工を行わない。

(f) 施工
(1) 下地及びタイルごしらえ
 (ⅰ) モルタル塗りを行うコンクリート素地面を目荒し工法とする場合は,6.15.5(c)による。
 (ⅱ) モルタル塗りを行う場合の下地は,6.15.6(c)による。
 (ⅲ) タイル張りに先立ち,下地モルタルに適度の水湿し又は吸水調整材の塗布を行う。
  ただし,改良積上げ張りの場合,吸水調整材の塗布は行わない。
 (ⅳ) 吸水性のあるタイルは,必要に応じて,適度の水湿しを行う。
 (ⅴ) タイルごしらえは,必要に応じて行う。

(2) 床タイル張り
 (ⅰ) 張付け面積の小さい場合は,容積比でセメント1,細骨材3~4に少量の水を加えた敷モルタルを用いてたたき締め,その硬化具合を見計らい,張付けモルタルを用いてタイルを張り付ける。
 (ⅱ) (ⅰ)以外の場合は,6.15.6(c)により下地モルタルを施工し,その硬化具合を見計らい,張付けモルタルを用いて張り付ける。
 (ⅲ) 張付けモルタルは2層に分けて塗り付けるものとし,1層目はこて圧をかけて塗り付ける。
  なお,合計の塗厚は5~7㎜とし,1回の塗付け面積の限度は2㎡以下とする。
 (ⅳ) 張付けは,目地割りに基づいて水糸を引き通し,隅,角その他要所を押さえ,通りよく平らに張り付け,表面及び目地底は,随時清掃する。
 (ⅴ) 張付け面積の大きい場合は,目地割りにより2m程度に基準となるタイル張りを行い,これを定規にして張り付ける。
 (ⅵ) 化粧目地詰めに先立ち,目地部分を清掃する。目地詰めは,張付け後モルタルの硬化を見計らってなるべく早い時期に行う。
  また,目地部の乾燥状態により適度の水湿しを行う。
 (ⅶ) 化粧目地
  ① 目地の深さは歩行に支障のない程度の沈み目地とする。
  ② 目地幅の大きい場合は,目地用モルタルをゴムごてで確実に充填したうえ,目地ごてで目地押えを行う。
  ③ 目地幅の小さい場合は,すり込み目地とする。
 (ⅷ) 目地詰め後,タイル面を清掃する。
 (ⅸ) 防水層の保護コンクリート等の上にタイルを張る場合は,3.3.5[保護層等の施工](f)による伸縮調整目地に合わせてタイルの伸縮調整目地を設ける。
  なお,目地材は,3章7節[シーリング]による。

(3) 壁タイル張り
    (ⅰ) タイル張りの工法と張付けモルタルの塗厚は表 6.16.4 により,工法の適用は特記による。
  なお,吹抜け部分等へのタイル張りの工法と張付けモルタルの塗り厚は,表4.5.4[セメントモルタルによるタイル張り工法と張付け材料の塗厚]による。
表 6.16.4 セメントモルタルによるタイル張り工法と張付けモルタルの塗厚

 (ⅱ) 改良積上げ張り
  ① 目地割りに基づいて役物を張り付け,水糸を引き通し,原則として,下から張り上げる。
  ② 張付けは,張付けモルタルをタイル裏面全面に平らに塗り付けて張り付けたのち,適切な方法でタイル周辺からモルタルがはみ出すまで入念にたたき締め,通りよく平らに張り付ける。
   なお,モルタルの塗置き時間は5分以内とする。
   また,張付けモルタルに隙間のできた場合は,モルタルを補充する。
  ③ 1日の張付け高さの限度は,1.5m程度とする。
  ④ 化粧目地は,次による。
   ア. タイル張り付け後,24 時間以上経過したのち,張付けモルタルの硬化を見計らって,目地詰めを行う。
   イ. 目地の深さは,タイル厚さの 1/2以下とする。
   ウ. 目地詰めに先立ち,タイル面及び目地部分の清掃を行い,必要に応じて,目地部分の水湿しを行う。
   エ. 目地詰め後,モルタルの硬化を見計らい,目地ごて等で仕上げる。
  ⑤ 目地詰め後,タイル面の清掃を行う。

(g) 伸縮調整目地にはみ出した張付けモルタルは,すべて削り落とし,張付けモルタルの施工が適切でなく隙間ができた場合はモルタルを補充し,目地の形状を整える。

(h) 養生及び清掃
(1) 養生
 (ⅰ) 寒冷期の施工は,6.15.2(a)(3)による。
 (ⅱ) 施工中及びモルタルが十分硬化しないうちに,タイル張り面に振動,衝撃等を与えない。
 (ⅲ) 床タイル張り後,3日間は,タイル上を歩行しない。やむを得ない場合は,道板等で養生を行う。

(2) 清掃
 タイル張り終了後,タイル表面を傷めないように清掃し,汚れを取り除く。
 やむを得ず清掃に酸類を用いる場合は,清掃前に十分水湿しをし,酸洗い後は直ちに水洗いを行い,酸分が残らないようにする。
 なお,金物類には,酸類が掛からないように養生を行う。

国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版(H28.6 一部改定)の複製です。

元の標準仕様書は、↓ こちらからダウンロードできます。
 官庁営繕:公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版 - 国土交通省

なお、元となる標準仕様書の改定周期は3年となっています。
次は平成31年版(または新元号元年版)になると思いますが、最新版が発行されたら、そちらを参照してください。

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