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3章防水改修工事 5節合成高分子系ルーフィングシート防水 3.5.4施工(改修標準仕様書(建築)H28)

国土交通省 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版

3章 防水改修工事
 5節 合成高分子系ルーフィングシート防水

3.5.4 施工 

(a) 防水層の下地
(1) 防水層の下地は,3.2.6による。

(2) 金物類の処理は,次による。
ルーフドレン,配管等に施されている塗料で,プライマー及び接着剤で溶解するおそれの
あるものは,ルーフィングシートの張付けに先立ち,ワイヤーブラシ,溶剤を含ませたウエス等を用いて除去する。

(b) プライマー塗り (接着工法及び屋内保護密着工法)  
(1) 下地が十分乾燥したのちに清掃を行い,塗布する。

(2) 接着工法の場合,ローラーばけ等を用いて当日の施工範囲をむらなく塗布する。

(3) 屋内保護密着工法の場合,左官ばけを用いて擦り込むように当日の施工範囲にむらなく塗布する。

(c) 接着剤の塗布  (接着工法及び屋内保護密着工法)  
(1) 接着工法で下地に塗布する場合は,プライマーの乾燥後,ローラーばけ,くしベら等を用いてむらなく行う。

(2) 接着工法でルーフィングシート及び断熱材に塗布する場合は,ローラーばけ,くしべら等を用いる。

(3) 屋内保護密着工法の場合は,プライマーの乾燥後,金ゴテ等を用いて下地にむらなく塗布する。

(d) 目地処理 (接着工法及び屋内保護密着工法)  
既存防水層を撤去したALCパネル下地で,種別S-F1,SI-F1,S-F2 及びSI-F2の場合は,ルーフィングシート張付けに先立ち,パネル短辺の接合部の目地部に幅50mm程度の絶縁用テープを張り付ける。
なお,PCコンクリート部材下地及びALCパネル下地で種別S-C1 の場合は,特記による。

(e) 増張り及び成形役物 
(1) 立上り部の,出入隅角の補強は,次による。
 (ⅰ) 種別S-F1,SI-F1,S-M1 及びSI-M1 の場合は,ルーフィングシート張付けに先立ち,200mm 角程度の増張り用シートを増張りする。
 (ⅱ) 種別S-F2,SI-F2,S-M2,SI-M2 及びS-M3の場合は,ルーフィングシート施工後に,成形役物を張り付ける。
 (ⅲ) 種別S-C1の場合は,ルーフィングシート張付けに先立ち,成形役物又は増張り用シートを張り付ける。

(2) 種別S-F1 及びSI-F1 の場合のPCコンクリート部材の入隅部の増張り並びに種別S-C1 の場合のALCパネル下地及びPCコンクリート部材の入隅部の増張りは,特記による。

(3) 種別S-F1,SI-F1,S-M1 及びSI-M1の場合,ルーフドレン,配管等と周囲の防水下地材との取合いは,ルーフィングシートの張付けに先立ち,次の処理を行う。
 (ⅰ) ルーフドレン回りは,幅150mm 程度の増張り用シートをドレンと下地に割り振り,張り付ける。
  ルーフドレンのつばには増張り用シートを100mm 程度張り掛け,張り付ける。
 (ⅱ) 配管回りは,幅100mm 程度の増張り用シートを下地面に 20mm程度張り掛け,張り付ける。

(4) 屋内保護密着工法の場合,排水器具,配管等と周囲の防水下地材との取合いは,ルーフィングシートの張付けに先立ち,次の処理を行う。
 (ⅰ) 排水器具回りは,幅250㎜程度の増張り用シートを排水器具と下地に割り振り,排水器具のつばには増張り用シートを100 ㎜程度張り掛け,張り付ける。
 (ⅱ) 配管回りは,幅250㎜程度の増張り用シートを配管回りの下地面に張り付け後,幅80㎜程度の増張り用シートを下地面に30㎜程度張り掛け,張り付ける。

(f) 一般部のルーフィングシートの張付け 
(1) 接着工法の場合は,塗布した接着剤のオープンタイムを確認して,ルーフィングシートに引張りを与えないよう,また,しわを生じないように張り付け,ローラー等で転圧して接着させる。

(2) 機械的固定工法の場合は,次による。
 (ⅰ) 建築基準法に基づき定まる風圧力に対応した工法は,特記による。
 (ⅱ) 絶縁用シートを敷き並べたのちに,(ⅰ)に基づき,固定金具を用いてルーフィングシートを固定する。
ルーフドレン回りは,ルーフドレン周囲から300mm程度の位置に固定金具を設けて,これにルーフィングシートを固定する。
  ただし,SI-M1 は原則として,絶縁用シートを敷設しない。

(3) 屋内保護密着工法の場合は,接着剤(ポリマーセメントペースト)の塗布後,速やかにルーフィングシートを張り付け,ローラー等で転圧して密着させる。

(4) ルーフィングシートの重ね幅等は,次による。
 (ⅰ) 種別S-F1,SI-F1,S-M1及びSI-M1 の場合
  ルーフィングシートの重ね幅は,幅方向,長手方向とも100mm 以上とする。
  ただし,立上りと平場の重ね幅並びにS-M1 及びSI-M1 において接合部内に固定金具を設ける場合の重ね幅は,150mm以上とする。
  ルーフィングシートが3枚重ねとなる部分は,内部の段差部分に不定形シール材を充填する。
 (ⅱ) 種別S-F2,SI-F2 ,S-M2 ,SI-M2及びS-M3の場合
  ルーフィングシートの重ね幅は,幅方向,長手方向とも 40mm以上とする。種別S-F2,SI-F2 ,S-M2及びSI-M2接合部は熱風融着又は溶剤溶着により接合し,その端部を液状シール材でシールする。
  また,種別S-M3 の接合部は,熱風融着により接合し,その端部を液状シール材でシールする。
  ルーフィングシートが3枚重ねとなる部分は,熱風融着して重ね部の隙間をなくす。
 (ⅲ) 種別S-C1の場合
  ルーフィングシートの重ね幅は,幅方向,長手方向とも100㎜以上とする。
  ルーフィングシートが3枚重ねとなる部分等に,浮きが生じないように接着剤(ポリマーセメントペースト)を隙間なく充填する。

(g) 立上り部の防水末端部の処理  
(1) 立上り部を接着工法で施工する場合は,その端部にテープ状シール材を張り付けたのちにルーフィングシートを張り付け,末端部は押え金物で固定した上に,不定形シール材を充填する。

(2) 立上り部を機械的固定工法で施工する場合は,その端部にテープ状シール材を張り付けたのちに固定金具を固定し,種別S-M2及びSI-M2の場合は,ルーフィングシートを固定金具に対して溶剤溶着又は熱風融着により張り付け,種別S-M3 の場合は,固定金具に対して,熱風融着により張り付け,末端部には不定形シール材を充填する。

(3) 立上り部を屋内保護密着工法で施工する場合は,接着剤(ポリマーセメントペースト)塗布後,ローラー等で転圧し,ルーフィングシートを張り付け,はみ出したポリマーセメントペーストを端部に覆い被せる。
 末端部には,押え金物は使用しない。

(h) 仕上塗料塗り
仕上塗料塗りは,ルーフィングシートを張り付けたのち,ローラーばけ等を用いて,むらなく塗り付ける。

(i) 断熱材の張付け (断熱工法の場合)  
(1) 接着工法の場合
下地に断熱材を隙間なく張り付け,ローラー等で転圧して密着させたのち,ルーフィングシートを張り付ける。

(2) 機械的固定工法の場合
下地に防湿用フィルムを敷設し,次に断熱材を隙間なく敷き詰め固定する。

(j) 保護層の施工(屋内保護密着工法の場合) 
(1) 平場のモルタル塗り
 (ⅰ) 床塗り工法は,特記による。
  特記がなければ,6.15.6[工法](b)(2)及び(3)に準ずる。
 (ⅱ) タイル張り下地等の下地モルタル塗りは,特記による。
  特記がなければ,6.15.6(c)(1)に準ずる。

(2) 平場を保護コンクリート仕上げとする場合は,3.3.5(d)(1)から(3)までに準ずる。
 なお,保護コンクリートの厚さは特記による。

(3) 立上り部の保護モルタル塗厚は,特記による。
 特記がなければ,7㎜以下とする。

(k) (a)から(j)まで以外は,ルーフィングシート製造所の仕様による。

国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版(H28.6 一部改定)の複製です。

元の標準仕様書は、↓ こちらからダウンロードできます。
 官庁営繕:公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成28年版 - 国土交通省

なお、元となる標準仕様書の改定周期は3年となっています。
次は平成31年版(または新元号元年版)になると思いますが、最新版が発行されたら、そちらを参照してください。

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